東京漢点字羽化の会学習会報告

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「うか」072
  第20回「学習会」2008年11月22日 (土)
  レーズライター:恋、戀、芸、藝、会、會、絵、伝、傳、転、轉、秋、畑

 学習内容
 * 言(;1・2・4の点)、云 (3、1・2・4の点)を含む文字。
 ・言を含む文字。
 63 「信 」 人偏(;1・3の点)と言で表す。欺かないという意味。音読みのシンは漢・呉音、訓読みにたより≠ェある。熟語に信心∞信者∞信念∞信望∞信義∞信託∞確信∞通信∞発信∞送信∞受信∞過信∞迷信≠ネどがある。
 64 「恋 」 上部は「亦(マタ)」であるが、旧字の「戀」から言(1・2・4の点)と心(2・5・6の点)で表し、左右の「糸」は省略している。音読みのレンは漢・呉音。熟語に悲恋∞恋恋(レンレン;思い焦がれてあきらめきれない)∞初恋(はつこい)∞恋旧(レンキュウ;昔のことをなつかしむ)∞恋著(れんちゃく…何かに思い焦がれる)∞恋人(こいびと)≠ネど。
 ・云 を含む文字。
 65 「芸 」 草冠(;1・4・6の点)と云 (エ;1・2・4の点)で表す。旧字は「藝」で、草木が芽吹いて伸び始める形を意味する。丸は勢いとか熱を意味している。音読みのゲイは漢音、ゲは呉音。熟語に芸達者∞芸者∞工芸∞武芸∞手芸∞曲芸∞学芸∞無芸≠ネどがある。他の読み方として安芸(あき)≠ェある。なお、草冠が付く字にも、草木とは無縁な難∞漢∞苛∞苦などがある。
 66 「会 」 三角屋根(1・2・5の点)と云 (;1・2・4の点)で表す。旧字は「會」で、三角屋根は何かをふたをするという意味がある。音読みのカイは漢音、エ・ケは呉音。熟語に会見∞会食∞会長∞会館∞集会∞機会∞照会∞再会∞大会∞司会∞例会∞面会∞宴会∞都会≠ネど多数あり、エでは会得∞会釈∞会者定離≠ネどがある。訓読みの「あ‐う」はほかに、合う∞遭う∞逢う∞遇う≠ェある。
 ・会 を含む文字。
 67 「絵 」 糸偏(1・2の点)と会 (1・2・4の点)で表し、会の三角屋根の部分は省略。旧字は繪≠ナある。音読みのカイは漢音、エは呉音。熟語には絵図(エズ、またはカイズ)∞絵心(えごころ)∞絵描(えかき)∞墨絵(すみえ)∞影絵∞絵姿≠ネど。表現方法として絵に描いたよう∞絵になる≠ネどがある。


  第21回「学習会」平成20年12月20日(土)
  レーズライター:炎、談、点、然、燃

 学習内容
 * 墨字は云 (3の点とエ;1・2・4の点)を含むが、漢点字では旧字に含まれる專の形を使う文字2つ。

 68 「伝 」 旧字の「傳」から、人偏(1・3の点)と專(1・2・3・4・5の点)で表す。音読みのデンは呉音、テンは漢音。字式は、人編+云。熟語に伝令∞伝授∞伝奇∞伝承∞伝票∞伝聞∞口伝∞自伝∞宣伝∞伝馬船(てんません、またはでんません)≠ネど。
 69 「転 」 旧字の「轉」から車偏(1・3・4・5・6の点)と專(1・2・3・4・5の点)で表す。音読みのテンは漢・呉音。車のようにはころころ転がるという意味がある。字式は車+云。熟語に転用∞転送∞転変∞好転∞公転∞自転∞栄転∞逆転∞流転∞起承転結∞動転∞転落≠ネど多数ある。

 ・火(3・4・5・6の点)を含む文字。
 70 「秋 」 ノ木偏(2・3・4の点)と火(3・4・5・6の点)で表す。字式は、禾+火。旧字は「穐」。亀は害虫を意味し、作物の収穫後に田畑を燃やし害虫を駆除して翌年に備えるという意味を持つ。音読みのシュウは漢・呉音、シュに呉音がある。熟語に秋分∞秋色∞秋芳(秋に咲く花で菊)∞千秋∞中秋∞秋気∞秋娘(しゅうじょう…美人。または年とって容色の衰えた女性)∞秋霜烈日≠ネどがある。他の読み方として秋刀魚(さんま)≠ェある。
 71 「畑 」 火(3・4・5・6の点)と田(1・3・5の点)で表す。国字である。字式は、火+田。熟語に畑違い≠ェある。
 72 「炎 」 火と火で表す。元の字は火を三つ合わせた形で、火の粉が飛んでいる様を表す。字式は、火/火。音読みのエンは漢・呉音、タンの読みもある。熟語に炎上∞火炎∞胃炎∞肺炎∞炎涼∞炎炎(エンエンまたはタンタン)=B別の読み方に陽炎(かげろう)≠ェある。

 ・炎 (3・4・5・6の点と、3・4・5・6の点)を含む文字。
 73 「談 」 言偏(1・2・4の点)と炎
(3・4・5・6の点、火一つは省略)で表す。字式は、言+炎。音読みのダンは呉音、タンは漢音。熟語に鼎談(テイダン)∞冗談∞対談∞怪談∞美談∞密談∞座談∞談判∞縁談∞漫談≠ネどがある。
 * 列火(文字の下に四つ点がつく形)で火(3・4・5・6の点を意味する)を含む文字。
 74 「点 」 占(1・2・4・5の点)と烈火(3・4・5・6の点)で表す。元は黒(火を燃やしたあとの煤)で黒いものが点々とつくという意味。字式は占/烈火。熟語に点検∞合点∞争点∞盲点∞弱点∞重点∞要点∞点心∞点字∞点呼∞点睛∞点滴≠ネどがある。
 75 「然 」 上の部分は「肉」と「犬」で構成されているが、犬(1・2・4・6の点)と烈火(3・4・5・6の点)で表し、肉の部分は省略されている。犬の肉を火であぶることを意味している。字式は、(肉月+犬)/烈火。音読みのゼンは漢音、ネンは呉音。熟語に必然∞平然∞未然∞依然∞愕然∞超然∞然る可し(しかるべし)=A他の読み方に徒然(つれづれ)≠ネどがある。
 ・然 (1・2・4・6の点と、3・4・5・6の点)を含む文字。
 76 「燃 」 火偏(3・4・5・6の点)と然 (1・2・4・6の点)で表す。然 の烈火は省略。字式は、火+然。熟語に再燃≠ェある。


「うか」073
  第22回「学習会」2009年1月17日 (土)
  レーズライター:品、唱、単、單、和、合、給、拾、答

 学習内容
 テキストでは文字を構成している部分を部首≠ナ表現しているが、漢和辞典の部首分類の部首≠ニ混同するため、以後はパーツ≠ナ表現する。

 * 口(1・2・4・5の点)をパーツとして含む文字。
 77 「品 」 口と三 (1・4の点)で表す。字式は口/口+口=B口は祝詞を入れる器(サイ)を意味し、三つあるのはサイを多く並べるという意味。音読みのヒンは漢音、ホンは呉音。熟語に新品∞商品∞製品∞気品∞上品∞部品∞作品∞景品∞手品∞品評∞品位≠ネど。ホンの使われ方は品位(ホンイ親王、内親王に与えられた位)∞九品仏(クホンブツ)≠ネどがある。
 78 「唱 」 口と日(2・3・6の点)で表す。字式は口+“日/日”。右側の日≠ヘ明るいという意味で、星をさし、星が重なって瞬いている様を表している。左側は口(くち)そのものである。音読みのショウは漢・呉音。訓読みのうた≠ヘ他に歌∞唄∞詩≠フ字がある。熟語に提唱∞暗唱∞絶唱∞斉唱∞復唱∞愛唱=B
 79 「単 」 旧字の單≠ゥら口と口で表す。字式は、ツ/田・十で旧字は口+口=^田・十。元は盾の形で、上部の口二つは模様を意味する。軍隊の最小単位ごとに固有の模様を持ち他と区別した。單が3つ集まると軍になる。音読みのタンは漢・呉音。単をパーツにもつ字に蝉、弾、戦、禅、箪などがある。熟語には単身∞単元∞単数∞単刀直入∞単体∞単独∞単調≠ネどがある。
 80 「和 」  ノ木偏(2・3・4の点)と口で表す。字式はノ木偏+口。戦争からきた字で、ノ木は目印に立てる木、口はサイの意味で、争いごとをしないと神に誓いをたてることからきている。音読みのワは呉音、カは漢音、オは唐音。訓読みにかず≠ェある。熟語に温和∞柔和∞親和∞調和
和服∞和歌∞和風∞和訳=Bカの読みとして和氏(カシ中国の楚の人で玉を鑑定した)=B和尚≠ニ書いて、オショウは禅宗、浄土宗、カショウは天台宗の僧侶のこと。律宗は和上(ワジョウ)≠ニいう。他の読み方に日和(ひより)∞和泉(いずみ)∞三和土(たたき)≠ェある。


  第23回「学習会」平成21年2月21日(土)
  レーズライター:員、損、史、使、舌、活、舎、話

 学習内容
 ・合 (1・2・5の点と2・3・5・6の点)をパーツとして含む文字。
 81 「合 」 三角屋根(1・2・5の点)と口(2・3・5・6の点)で表す。間の横線は省略。サイにふたをした形を表す。字式は屋根/一/口。音読みのゴウは呉音、ガツは漢音。熟語に化合∞烏合∞配合∞混合∞都合∞結合∞集合∞結合∞照合∞合戦(カッセン)∞合点(ガッテン)=B他の読みとして百合(ユリ)≠ェある。なお会≠ヘ合から転じた文字。
 82 「給 」 糸偏(1・2の点)と合 (2・3・5・6の点)で表す。字式は糸+合。音読みのキュウは漢音、コウは呉音。熟語に配給∞月給∞日給∞昇給∞恩給∞給料∞給付≠ネど。コウの読みは賑給(シンゴウ;平安時代、毎年5月、京中の窮民に米塩を支給する公事。奈良時代は高齢者身寄りのない者・困窮者などを対象に全国で行なわれたが、その後、京中に限られるようになった。)
 83 「拾 」 手偏(1・2・3・4・5の点)と合(2・3・5・6の点)で表す。字式は手偏+合。音読みのシュウは漢音、ジュウは呉音で証文や公文書等で十に替えて用いる。熟語には収拾∞拾円∞命拾い≠ネどがある。
 84 「答 」 竹冠(1・2・3・5の点)と合(2・3・5・6の点)で表す。字式は竹/合。音読みのトウは漢音。熟語に答弁∞答申∞答辞∞即答∞問答∞自問自答∞口答え≠ネど。他に答拝(タッパイ;丁寧なもてなし)≠ェある。草冠の荅≠ヘトウと読み、小粒の豆、あずきや緑豆などをいう。
 ・員 (貝3・5の点と口1・2・4・5の点)をパーツとして含む文字二つ。
 85 「員 」 貝は鼎(カナエ)≠簡単にした形。字式は口/貝。音読みのインは漢音、エンは漢・呉音、ウンと読む呉音もある。熟語に全員∞欠員∞委員∞一員∞議員∞公務員∞客員≠ネど。エンの読みとして方員(ほうえん;四角と丸)∞員石(エンセキ;丸い石)≠ェある。ウンの読み方の使われ方は不明。
 86 「損 」 手偏(1・2・3・4・5の点)と員(1・2・4・5の点)(口の部分を用い、貝は省略)で表す。手で鼎の脚を折る(神にさからう)の意味を持つ。字式は手偏+員。熟語に損耗≠ェある。


「うか」074
  第24回「学習会」2009年3月21日 (土)
  レーズライター: 絹 、季 、委 、好 、姉 、妹 、男 、細

 学習内容
 ・史 (口と人)と、史をパーツとして含む文字。
 87 「史 」 口(レ、1・2・4・5の点)と人(ナ、1・3の点)で表す。口はサイ。サイを棒の先につけ振り回して神に折る。字式は口\人。音読みのシは漢・呉音。熟語に史実∞史跡∞郷土史∞女工哀史∞美術史≠ネどがある。旧字は中・又
 88 「使 」第2人偏(4・6の点)二つで表す。字式は人偏+吏(リ)。音読みのシは漢・呉音。訓読みのし‐む∞せし‐む≠ヘほとんど使われない。熟語に使者∞使命∞使途∞特使∞労使≠ネどがある。
 ・舌 (口と千)と舌をパーツとして含む文字三つ。
 89 「舌 」 口(レ、1・2・4・5の点)と千(セ、1・2・4・5・6の点)で表す。字式は千・口。音読みのゼツは呉音、漢音にセツがある。熟語に筆舌∞饒舌(ジョウゼツ)∞舌禍(ゼッカ)∞猫舌∞舌の根≠ネど。他に百舌(モズ)≠ェある。
 90 「活 」 さんずい(ニ、1・2・3の点)と舌(千で口の部分は省略)で表す。字式は、さんずい+舌。旧字は千≠フ部分が干=B口はサイ。音読みのカツは漢音。熟語に活字∞活躍∞活用∞活性∞活版∞死活≠ネど。他の読みとして独活(ウド)≠ェある。
 91 「舎 」 三角屋根(リ、1・2・5)と舌(口の部分は省略)で表す。字式は屋根/土/口。音読みのシャは漢・呉音。訓読みにすて‐る≠ェある。熟語に駅舎∞鳩舎∞牛舎∞舎利≠ネど。他の読みとして田舎(いなか)∞舎人(とねり)≠ェある。
 92 「話 」 言偏(エ、1・2・4の点)と舌(口の部分は省略)で表す。字式は言偏+舌。音読みのワは唐音。漢音にカとカイ、呉音にエとワイがある。元の意味に、神からダメだしされ悪口雑言を吐くことという説がある。熟語に話法∞世話∞対話∞通話∞電話∞童話∞秘話∞実話∞手話∞茶話会∞裏話(うらばなし)∞噂話(うわさばなし)∞閑話(カンワ)∞四方山話(よもやまばなし)≠ネどがある。

  第25回「学習会」2009年4月18日 (土)
  レーズライター: 絹 、季 、委 、好 、姉 、妹 、男 、細

 学習内容
 ・口(レ、1・2・4・5の点)を含むが漢点字符号に反映されない文字。
 93 「絹 」 糸(イ、1・2の点)と月(1・5の点)で表し、口は省略。口は丸い口、月は虫で口から糸を出している意味がある。字式は糸+口/月。音読みのケンは漢・呉音。熟語に人絹∞絹漉し(きぬご‐し)∞絹目∞生絹(キギヌ:生糸で織った絹布。スズシ:生糸の織物で練っていないもの、の二つがある。)$l名に人見絹枝(ひとみきぬえ。1928年のアムステルダム・オリンピックで800mの2位。日本初の女性メダリスト。1907〜31)
 94 「季 」 ノ木(ノ、2・3・4の点)と子(コ、2・4・6の点)で表す。字式はノ木/子。ノ木が上にある場合は、穀物も穂を帽子につけ、収穫を祝う舞を踊るという意味がある。舞うのは村長の末の子どもでそこからすえ≠フ読みが生まれた。音読みのキは漢・呉音。訓読みにとき、とし、ひで≠ェある。熟語に年季∞季刊∞乾季∞季月≠ネどがある。
 * 女(フ、1・3・4・6の点)をパーツとして含む文字四つ。
 95 「委 」 ノ木(ノ、2・3・4の点)と女(フ、1・3・4・6の点)で表す。字式はノ木/女。収穫を祝う舞を女性が踊るという意味から発している。音読みのイは漢・呉音。熟語に委員∞委細∞委棄(イキ)∞委託∞委曲(イキョク、ツバラ、ツブツブ: 詳しいさま)≠ネどがある。他に漢委奴国(かんのわのなのくに)≠ェある。
 96 「好 」 子(コ、2・4・6の点)と女(フ、1・3・4・6の点)で表す。女と子で表すと漢点字では別の字「娯」となる。字式は女+子。音読みのコウは漢・呉音。訓読みの名前でよし=B熟語に好評∞好機∞好物∞好色∞好調∞お好み焼き∞好奇心∞好事(コウズ)≠ネど多数。
 97 「姉 」 女(フ、1・3・4  6の点)と市(シ、1・2・5・6の点)で表す。字式は女+市。音読みのシは漢・呉音。熟語に従姉(ジュウシ、年上の女のいとこ)≠ネど。
 98 「妹 」 女(フ、1・3・4  6の点)と未で表す。字式は女+未。熟語に令妹(レイマイ:他人の妹の尊語)∞妹背(イモセ:愛し合う男女、妹と兄、姉と弟)∞吾妹(ワギモ:男性が女性を親しんで呼ぶ語)=B人名に小野妹子(オノノイモコ: 聖徳太子が命じた遣隋使)¢Oの姉と合わせ、従姉妹(イトコ)∞十姉妹(ジュウシマツ)≠ネどがある。
 * 田(タ、1・3・5の点)をパーツとして含む文字四つ。
 99 「男 」 田と力(ヌ、1・3・4の点)で表す。字式は田/力。田畑で力を出して働く男を表す。音読みのダンは漢音、ナンは呉音。訓読みにおのこ*シ前に使うお≠ェある。熟語に男爵∞下男∞男雛(オビナ)∞色男(いろおとこ)∞男色(ダンショク)∞東男(あずまおとこ)∞女尊男卑∞善男善女∞男郎花(おとこえし、オミナエシ科の多年草)∞男前(おとこまえ)£n名に男鹿(おが)∞男体山(なんたいさん)≠ネど多数ある。

「うか」075
  第26回「学習会」2009年5月23日 (土)
  レーズライター: 思、胃、油、典、悪、応、係、孫、泳、混、財、社、証、徒、道、貧、参考(冊、册)

 学習内容
 6. 漢数字および第1基本文字を部首とした文字 (6)
 ・田(1・3・5の点)をパーツとして含む文字四つ。(うち、男は前回学習)
 「田」には、田畑の意味と、物が中に沢山詰まっているとか、沢山集まっているという意味がある。
 100「細 」 糸偏(1・2の点)と田で表す。字式は糸+田。音読みのサイは呉音、セイは漢音。熟語に細心∞子細∞繊細∞些細∞委細∞細君∞細道(ほそみち)∞細波(さざなみ)∞細雪(ささめゆき)∞細石(さざれいし)∞細魚(さより)∞事細(ことこま)か∞心細(ぼそ)い=Bセイの読みとして細男(セイノオ@: 奈良の春日大社の祭りで登場する6人の男など)¢シに亜細亜(アジア)≠ェある。
 101 「思 」 田と心(ル下がり@: 2・5・6の点)で表す。字式は田/心。音読みのシは漢・呉音。訓読みに、おぼ‐すがある。おも‐う≠ノは想、憶、念の字もある。熟語に思索∞不思議∞思慮∞相思相愛∞思い出∞片思い∞思(おぼ)し召し∞思惑(おもわく)¢シに成吉思汗(ジンギスカン)≠烽る。
 102 「胃 」 田と肉(ラ下がり;2・6の点)で表す。月は肉づきの意味。字式は田/月。音読みのイは漢・呉音。熟語に胃酸∞胃壁∞胃炎∞反芻胃(ハンスウイ)∞胃下垂∞胃拡張≠ネど。
 * 由 (1・3・5と4の点)、曲 (1・3・5と5の点)をパーツとして含む文字一つずつ。
 「由 」は壷の形を象ったもので、突き出た部分は首、田の部分は胴体。「曲 」は  竹で編んだ籠を象ったもの。
 103 「油 」 由と第2さんずい(4・5・6の点)で表し、墨字とは左右逆。字式は、さんずい+由。植物から出た油を指し、動物から出たものは脂≠使う。音読みのユは呉音、ユウは漢音。熟語に給油∞肝油<ウとしては油然(ユウゼン)≠ネど。場所に夏油温泉(ゲトウオンセン);岩手県南西部にある温泉。石灰華の段丘は特別天然記念物≠ェある。
 104 「典 」 曲(1・3・5の点)と八(1・2・5の点)で表す。字式は、適切な表現方法が見当たらない。音読みのテンは漢・呉音。訓読みにふみ*シ前にすけ∞つね≠ェある。熟語は特典∞出典∞典範∞聖典∞香典≠ネど、国名に瑞典(スウェーデン)≠ェある。
 * 心(ル下がり@: 2・5・6の点)が下に付く文字二つ。
 105 「悪 」 亜 (1の点)と心で表す。字式は亜/心。音読みのアク、オはいずれも漢・呉音。訓読みにあ‐し≠ェある。常用字解には、墓室を指し忌まわしい意味を持つとある。熟語に悪銭∞悪夢∞悪用∞悪態∞悪食(アクジキ)∞悪戯(アクギ、いたずら)∞悪寒(オカン)∞悪熱(オネツ)∞悪知恵∞気味悪い∞善し悪し∞悪しからず≠ネど。


  第27回「学習会」2009年6月20日 (土)

  レーズライター: 応、應、係、孫、泳、混、財、社、証、徒、道、貧

 学習内容
 6. 漢数字および第1基本文字を部首とした文字 (6)
 106 「応 」 まだれ(ヨ@: 3・4・5の点)と心(ル下がり@: 2・5・6の点)で表す。字式は广(まだれ)>心。旧字の「應」は人の胸に鳥を抱いている形を意味することから、广は人の体の胸を意味し、応は胸で神の答を受け止めるという意味がある。音読みのオウは呉音。訓読みにまさ‐に*シ前にまさ≠ニして用いられる。熟語には、順応(じゅんのう)∞否応(いやおう)∞相応∞応戦∞適応∞歯応え(はごた‐え)∞読み応え(よ‐みごた‐え)∞相応しい(ふさわ‐しい)≠ネどがある。
 * 系(イ下がり@: 2・3の点)をパーツとして含む文字2つ。
 107 「係 」 人偏(ナ@: 1・3の点)と系で表す。字式は人偏+系。細いものでつながっているという意味がある。音読みのケイは漢音。熟語には係官∞係員∞係船(けいせん)∞係留(けいりゅう)≠ネどがある。
 108 「孫 」 子(2・4・6の点)と系で表す。字式は子+系。音読みのソンは漢・呉音。熟語に子々孫々&ィ語に孫悟空$_話に天孫降臨(てんそんこうりん@: 天照大神の命を受けて、孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原(たかまがはら)から日向国の高千穂に天降ったこと)=B他に公孫樹(いちょう)=A地名・人名に我孫子(あびこ)≠ネどがある。

 7. 漢数字および第1基本文字を部首とした文字(7) 点字p56、墨字p21
 109 「泳 」 さんずい(ニ@: 1・2・3の点)と永(4)で表す、永は氷(4・5・6の点)の近似文字。字式は、さんずい+永。水の流れが永く続いていることからきている。音読みのエイは漢音。熟語には競泳∞力泳∞遊泳≠ネど泳ぎに関するものが多い。他に電気泳動(蛋白質等の分析法の一種≠竓リ国の人名として金泳三(キム・ヨンサム)≠ネどがある。
 110 「混 」 さんずいと昆 (4・5の点)で表す。字式は、さんずい+昆、昆は日/比。音読みのコンは漢音。訓読みにこ‐む≠ェある。熟語には混合∞混在∞混声合唱∞混載∞混在∞玉石混淆(ぎょくせきこんこう)∞混ぜご飯≠ネどがある。

「うか」076
  第28回「学習会」2009年7月11日 (土)

 学習内容
 6.漢数字および第1基本文字を部首とした文字(7)
 109 泳 、110 混 、111 財
 (3) 今回の学習内容 テキスト第三回、複合文字 (1)
 112 「社 」示偏(ネ:1・2・3・4の点)と土(ツ:1・3・4・5の点)で表す。字式は示+土。土は土を盛った祭壇の意。人が集まって作る組織や集団を指す。音読みはシャ、訓読みはやしろ。
 113 「証 」言偏(エ下がり:1・2・4の点)と正 の右のイ(1・2の点)で表す。字式は言+正。事実をありのままに申し立てること。本来の字は言偏+登。音読みはショウ、セイ、訓読みはあか‐す、あかし
 114 「徒 」行人偏(ユ:3・4・6の点)と走(ハ:1・3・6の点)で表す。字式は彳+走。かちとは歩いていくこと。何も使わずに行くこと。いたずらにと読んで空しい行為、成果の上がらない行為の意。音読みはト、訓読みはかち、いたずら‐に。
 115 「道 」 しんにょう(ヒ:1・2・3・6の点)と首 (4の点)で表す。字式はしんにょう+首。しんにょうはものの動く様子を表す。首は自分の集団の外の敵の首を切り落として魔除けに用いたもの。音読みはドウ、トウ、訓読みはみち。
 116 「貧 」分(リ:1・2・5の点)の下に貝(オ下がり:3・5の点)で表す。字式は分/貝。貝は財産を表し、みんなに分け与えて乏しくなるの意。才能や学問の乏しい様子も表す。音読みはヒン、ビン、訓読みはまず‐しい。
                            (中田利夫)

  第29回「学習会」2009年8月22日 (土)

 学習内容
 今月は全体として出席者が少なかったので、木村が報告をさせていただく。
 いつものように前月7月に学習した文字(財 、社 、証 、徒 、道 、貧 )を復習した。
 新しい文字は、「防」「明」「庫」「連」「更」である。
 「防 」ボウ、ふせ‐ぐ、
 防は「こざと偏」の右側に「方」を置いた文字で、「方」は、左右に張り出した形で、襲ってくる敵や、氾濫する水をせき止める意味を表している。「こざと偏」は、土を盛った形を象っていて、これも「方」と同じ意味である。
 用例としては、防衛、防御、防火用水、堤防、予防接種
 「明 」メイ、ミョウ、みん、あか‐るい、あか‐らむ、あか‐い、あ‐ける、あき‐らか
 「日」の右側に月」を置いた形。「日」は元来は日ではなく、窓を象ったもので、夜、窓から月の光がさして、部屋の中が明るく照らし出される様子を表す文字で、訓読みの「あかるい、あからむ」は、文字通り光りに照らされて明るくなることを表している。「あける」は、夜が明ける、年が明ける、意味である。「あきらか」も、光に照らされて、よく見えることを意味する。明るい、はっきりしている、道理がよく分かっている、ものを見分ける力があるなどの意味がある。音読みの「ミン」は、中国の王朝の名称である。
 用例は、明瞭、明白、明快、明敏、明晰、明日、賢明、未明、文明
 「庫 」コ、ク、くら
 「麻垂れ」の下に「車」を置いた形の文字で、「麻垂れ」は建物と屋根と壁を象っていて、「車」は戦車を表している。戦車を保管する建物がこの文字の意味で、そこから、いろいろなものを保管しておく「くら」として用いる。「庫裏(くり)」とは、寺の台所の意味である。
 用例は庫裏、車庫、書庫、冷蔵庫
 「連 」レン、つら‐なる、つら‐ねる、つ‐れる、つれ
 「車」に「しんにょう」を加えた形の文字で、車が連なって行く様子を表している。列を連ねて行く、転じて関わり合いになる、「連れる」と読んで人を連れて歩く、連れを伴って行く、そこからさらに、友とか仲間の意味に派生した。
 用例として、連行、連動、連座、国際連合、「歌は世に連れ、世は歌に連れ」
 「更 「「コウ、キョウ、さら‐に、ふ‐ける、ふ‐かす、あらた‐める、か‐える、か‐わる
 横線の下に「日」、横線の中央から「日」の中央を通って縦線があり、下で右斜め線と「人」の字形に 交差させた形の文字である。「人」の字形の右斜め線は、左上に少し交差して出る。「人」の形は、足を開いて突っ張る形で、緩んだものを引き締めることを表す。「さらに」と読んで、一段と、その上に、の意味に、あるいは「さらに…なし」と打ち消しを伴う使い方をする。「あらためる・かえる」と読んで、物事のあり方を変える、順序を変える、引き締めるの意味、「ふける」と読んで経験を積む、夜がふけるという意味に用いられる。
 用例として、更改、更新、更迭、更衣室、更正、更生、衣更え、更け行く秋の夜
                         (木村多恵子)

「うか」077
  第30回「学習会」2009年9月19日(土)

 学習内容
 7.漢数字および第1基本文字を部首とした文字(7)
 * 更 {日(リ下がり:2・3・6の点)と人(ナ:1・3の点)}を含む文字
 122「便 」 第2人偏(4・6の点)と人(ナ:1・3の点))で表し、日の部分は省略。字式は人偏+更。音読みのベンは呉音、ビンは慣用音、ヘンは漢音。訓読みによすが≠ェある。熟語には、穏便(おんびん)∞軽便(けいべん)∞方便(ほうべん)∞便乗(びんじょう)∞不便≠ネどがある。
 * 能(ラ:1・5の点とノ:2・3・4の点)と能をパーツとして含む文字1つ。
 123「能 」 月(ラ:1・5の点)とノで表す。字式はム/月+ヒ/ヒ。水の中の虫の形からきている。右側のヒ/ヒは虫の足を意味する。音読みのノウは呉音。訓読みにははたら‐く∞え*シ前によし≠ェある。熟語には万能∞技能∞知能∞芸能∞効能∞性能∞本能∞才能£n名に能登∞能代≠ネどがある。
 124「態 」 月(能のノは省略)と心(ル下がり:2・5・6の点)で表す。字式は能/心。音読みのタイは漢・呉音。訓読みにさま、わざわざ、なり≠ェある。熟語に形態∞擬態∞事態∞重態∞媚態∞態様=A他に虚態(そらわざ)∞負態(まけわざ)∞態々(わざわざ)≠ネど。
 4  基本文字 (3)  比較文字
 1. 対、あるいはグループをなす比較文字 (1)
 比較符号(4・5の点)を用いて表わす。
 * 「父」と「母」
 (1) 「父 」 4・5の点とチ(1・2・3・5の点)で表わす。音読みのフは漢音。交差する形は、刈る、切るという意味を持つ。熟語に伯父・叔父・小父(おじ)∞秩父(ちちぶ)∞岳父(がくふ)∞漁夫(ぎょふ)の利≠ネど。
 (2) 「母 」 4・5の点とハ(1・3・6の点)で表わす。音読みのボは慣用音、ム・モは呉音、ボウは漢音。熟語は叔母・伯母・小母(おば)∞乳母(うば)∞母屋(おもや)∞雲母(うんも)∞入母屋(いりもや)∞鬼子母神(きしもじん)∞良妻賢母¢シに安母尼亜(アンモニア)∞水母(くらげ)≠ネど。
 * 「上・中・下」
 (3) 「上 」 4・5の点とウ(1・4の点)で表わす。手の平を上に向けた形を意味する音読みのジョウは呉音、ショウは漢音。熟語に上人(しょうにん)∞仕上げ∞上期(かみき)£n名に上総(かずさ)*シ前に上野介(こうずけのすけ)≠ネど。
 (4) 「中 」 4・5の点とウ下がり(2・5の点)で表わす。音読みのチュウは漢・呉音。元は、戦の際、前衛、中衛、後衛、の陣を敷き、真中の部隊が掲げる吹流しを意味する。熟語に中枢∞夢中、霧中∞道中∞中華∞中庸£n名に地中海∞中近東∞中国≠ネど。
 (5) 「下 」 4・5の点と3・6の点で表わす。手の平を下に向けた形を意味する。音読みのカは漢音、ゲは呉音。熟語に下手(したて、へた)∞以下∞下駄∞下地(したじ)∞下司(げす)∞月下美人∞月下氷人∞下拵い(したごしらい)£n名に下呂(げろ)∞下野(しもつけ)¢シに氷下魚(こまい)≠ネど。

  第31回「学習会」 2010年10月17日(土)

 学習内容
 4 基本文字(3) 比較文字
 * 「右」と「左」
 (6) 「右 」 4・5の点と5・6の点で表わす。音読みのユウは漢音、ウは呉音。口の部分はサイを意味する。熟語に右手(みぎて、めて)∞座右の銘∞右腕∞右文(ゆうぶん:文学を重んずること)∞右記≠ネど
 (7) 「左 」 4・5の点とイ下がり(2・3の点)の点で表わす。音読みのサは漢・呉音。熟語に左官∞左団扇∞左記≠ネど。
 ・右、左が入った熟語に前後左右∞一左右(いっそう:一度の便り)∞右近の橘、左近の桜∞左右に託す:明確にせずその場をにごす≠ネど。

 * 「大」と「小」
 (8) 「大 」 4・5の点とケ(1・2・4・6の点)の点で表わす。音読みのタイ・タは漢音、ダイ・ダは呉音。熟語に大工∞大地∞偉大∞大事∞大人∞大蛇(おろち、だいじゃ)∞大臣∞大仏=A地名に大津(おおつ)∞大宰府(だざいふ)∞大阪∞大島∞大分≠ネど。
 (9) 「小 」 4・5の点とソ(2・4・5・6の点)で表わす。音読みのショウは漢・呉音。熟語に小説∞小粒∞小賢しい∞小春日和∞小夜(さよ)∞小町=A地名に小樽∞小笠原∞小倉∞小田原∞小豆島¢シの読みとして小角(くだぶえ:小さい笛)=A大小を含むものとして莫大小(メリヤス)∞大豆(だいず)∞小豆(あずき)≠ネどがある。

 * 「出」と[入」
 (10) 「出 」 4・5の点とヘ(1・2・3・4・6の点)で表わす。音読みのシュツ・スイはいずれも漢・呉音。熟語に出家∞出世∞門出∞出色∞小出し∞出納(スイトウ)∞露出∞出初(でぞめ)∞出水(いずみ)∞出梅(つゆあけ)=A地名に出石(いずし)≠ネど。
 (11) 「入 」 4・5の点とナ(人:1・3の点)で表わす。音読みのニュウは呉音、ジュウは漢音、ジュは慣用音。訓読みにしお≠ェある。熟語に介入∞輸入∞入浴∞入魂(ジッコン)∞入水(ジュスイ)∞絶入(ゼツジュ:気絶する)∞入梅(つゆいり)∞幾入(いくしお:布を幾度か染める)∞初入(はつしお:紅葉し始めること)∞一入(ひとしお:ひときわ)∞白八入(しろやしお:ツツジの一種)∞一入再入(イチジュウサイジュウ:布を何度も染める)≠ネど。

 * 大の近似文字
 (1) 「天 」 1の点とケ(1・2・4・6の点)の点で表わす。音読みのテンは漢・呉音。訓読みにそら≠ェある。熟語に天晴れ(あっぱ‐れ)∞天体∞天気∞天辺(テッペン)∞天才∞天邪鬼(あまのじゃく)∞天皇(てんのう、すめらぎ)∞韋駄天(イダテン)∞天麩羅=A他の読みとして天牛(かみきりむし)∞天蛾(すずめが)∞信天翁(あほうどり)∞天糸瓜(へちま)∞天鵞絨(ビロード)=A地名に天橋立∞天塩∞高天原∞天草≠ネど。
 (2) 「太 」 2の点とケで表わす。音読みのタイは漢・呉音、タ・ダは慣用音。音読みにはなはだ‐しい、おお、もと、名前にふとし。熟語に太刀∞丸太∞太子∞明太(めんたい)∞心太(ところてん)=A地名に樺太∞太宰府∞太秦(うずまさ)∞伊太利(イタリヤ)∞濠太剌利(オーストラリヤ)∞墺太利(オーストリア)∞太平洋≠ネど。
                            (菅野良之)

「うか」078
  第32回「学習会」2009年11月21日(土)

 学習内容
 * 「大」4・5とケ(1・2・4・6の点)の近似文字
 (1) 「天 」 ア(1)とケ(1・2・4・6)の点で表わす。音読みのテンは漢・呉音。訓読みにそら≠ェある。熟語に天晴れ(あっぱ‐れ)∞天邪鬼(あまのじゃく)∞天体∞天井∞韋駄天(いだてん)∞天麩羅£n名に天城∞天草∞天橋立(あまのはしだて)∞小天(おあま:熊本県内の温泉)¢シの読みに天牛(かみきりむし)∞天社蛾(しゃちほこが)∞天蛾(すずめが)∞天糸瓜(へちま)∞紅天蛾(べにすずめ)∞信天翁(あほうどり)∞天鵞絨(ビロード)≠ネど。
 (2) 「太 」 2の点とケで表わす。音読みのタイは漢・呉音、タ・ダは慣用音。音読みにはなはだ‐しい、おお、もと*シ前にふとし。元は「泰」の字で、上の三を一に、人、したみずを丶(点)と簡略した。熟語に太刀∞丸太∞太子∞明太(めんたい)∞心太(ところてん)£n名に樺太∞太宰府∞太秦(うずまさ)∞伊太利(イタリヤ)∞濠太剌利(オーストラリヤ)∞墺太利(オーストリア)∞太平洋≠ネど。
 (3) 「夫 」 3の点とケで表わす。音読みのタイは漢音、フウは慣用音、ブは呉音。訓読みにそれ=A名前にお=B熟語に太夫(たゆう)∞丈夫∞凡夫∞思い夫(おも‐いづま)∞夫夫(それぞれ)∞万夫(ばんぷ)∞水夫(すいふ、かこ)∞夫唱婦随∞信夫(しのぶ)¢シの読みに泪夫藍(サフラン)≠ネど。
 「出 」4・5の点とヘ(1・2・3・4・6の点)の近似文字
 (4) 「片 」 ヘ(1・2・3・5・6の点)と5の点で表わす。音読みのヘンは漢・呉音。熟語に欠片(かけら)∞かた≠ェつくものに片思い∞片時∞片手間∞片付け∞片仮名∞ヘン≠ノは木片∞断片∞砕片=Aひら≠ナは一片(ひとひら)∞四片(よひら:花弁が4片あること)≠ネど。

 基本文字(3) 対あるいはグループをなす比較文字(2)
 * 「高い」と「低い」

 (12) 「高 」 比とエ(1・2・4の点)で表わす。音読みのコウは漢・呉音。えんがまえの中にある口はサイを意味する。熟語に高飛車(たかびしゃ)∞居丈高(いたけだが)∞気高い∞高貴∞崇高∞高級∞最高∞高原∞高所∞高粱(こうりゃん)∞高天原(たかまがはら)£n名に高知∞高野山≠ネど。
 (13) 「低 」 比とン(3・5・6の点)で表わす。音読みのテイは漢音。熟語に低落∞最低∞低音∞低温∞低姿勢∞平身低頭≠ネど。
 * 「優・良・可」
 (14) 「優 」 比とユ(3・4・6の点)で表わす。音読みのユウは漢音、ウは呉音。訓読みにまさる*シ前にゆたか≠ェある。熟語に俳優(はいゆう、わざおぎ)∞男優∞女優∞声優∞優越∞優雅∞優遇∞優先∞優柔不断∞優男(やさおとこ)∞優曇華(うどんげ:芭蕉の花の異称。三千年に一度花開く)≠ネど。
 (15) 「良 」 比とヤ(3・4の点)で表わす。音読みのリョウは漢音、ロウは呉音。訓読みに名前としてなが≠ェある。熟語には善良∞改良∞不良∞良妻賢母∞公序良俗∞野良(のら)=A地名に奈良∞長良川∞沖永良部島(おきのえらぶじま:奄美諸島の一つ)∞富良野≠ネど。
 (16) 「可 」 比とカ(1・6の点)で表わす。音読みのカは漢・呉音。音読みによい、よし≠ェある。常用字解は外の部分は大きな木の枝を意味し中の口はサイで、サイを叩き、神を驚かすという意味があるという。音読みのカは漢・呉音。訓読みによい*シ前によし≠ェある。熟語に可能∞可燃∞不可能∞許可∞認可∞不可解∞不可欠∞不可抗力∞生半可∞可及的∞可笑しい(おか‐しい)∞可惜(あたら)≠ネど。

  第33回「学習会2009年12月19日(土)

 学習内容
 基本文字(3) 対あるいはグループをなす比較文字(2)

 * 「東・西・南・北」
 (17) 「東 」 比(5・6の点)とヒ(1・2・3・6の点)で表わす。日と木を重ねたような形。円筒形の袋の上下をしばって、中に物を入れた形をした文字といわれる。音読みのトウは漢・呉音。訓にはる≠ェある。白川先生の節では元々はひがし≠フ意味は無い。古くは坂東(ばんどう:足柄・碓氷(うすい)以東の諸国≠ニして称された。東をパーツで使う文字に「棟」「諌」などがあるが、類似した「楝(レン)」「諫(カン)」などがある。熟語に馬耳東風(ばじとうふう)=A他の読みに東風(こち、あゆ)∞東雲(しののめ)∞東海林(しょうじ:人名)≠ネどがある。
 (18) 「西 」 比とニ(1・2・3)で表わす。音読みのテイは漢音、サイは呉音。 熟語に東奔西走&ィ語に西遊記£n名に西表(いりおもて)∞葛西♀O国名に西貢(サイゴン)∞西比利亜(シベリア)∞瑞西(スイス)∞西班牙(スペイン)∞西蔵(チベット)∞新西蘭(ニュージーランド)∞伯剌西爾(ブラジル)∞仏蘭西(フランス)∞墨西哥(メキシコ)∞露西亜(ロシア)¢シの読みに西瓜(すいか)≠ネどがある。
 (19) 「南 」 比とミ(1・2・3・4・6の点)で表わす。音読みのナンは漢・呉音。 文字は南の地方の住人が使った楽器に由来しているという説がある。熟語に南無(なむ)∞指南¢シの読みに南風(なんぷう、はえ)∞南瓜(かぼちゃ)∞石南(楠)花(しゃくなげ)∞南燭(しゃしゃんぼ:ツツジ科の常緑樹。高さ1〜3メートル。6月頃白い花をつけ晩秋、紫黒色に熟し、液果は甘酸っぱく美味。)″走シに越南(ベトナム)≠ェある。
 (20) 「北 」 比とキ(1・2・6の点)で表わす。音読みのホクは漢・呉音。訓読みに にげ‐る≠フ意味がある。熟語に硯北(けんぽく:宛名の脇に添え書きする敬語の一つ)£n名に北海道∞台北(タイペイ)*シ前に北条(ほじょう)≠ネどがある。

 コーヒーブレイク 東西南北を含む文字。
 ・東風(ひがしかぜ、こち)、西風(にしかぜ、せいふう)、南風(みなみかぜ、なんぷう)、北風(きたかぜ)
 ・東京、西京(さいきょう:京都)、南京(なんきょう:平城京=奈良、ナンキン:中国の都市)、北京(ほっきょう:平安京=京都、ペキン:中国の首都)・東海道(江戸日本橋から西方沿岸の諸国を経て京都に至る街道)、西街道(さいかいどう:九州地方)、南街道(畿内・山陽道の南方)、北陸道(福井県の若狭から日本海側の能登を経て冨山、新潟、佐渡に至る街道)
 ・棟(トウ、むね)、栖(セイ、す‐む)、楠(ナン、くすのき)。[北 ナし]

 * 「鶴」と「亀」
 (21) 「鶴 」 比とセ(1・2・4・5・6の点)で表わす。音読みのカクは漢・呉音。 左側はウ冠にふるどり、右側は鳥と左右にトリが入っている。熟語に凍て鶴(いてづる)∞折鶴∞雲鶴(うんかく:雲と鶴を配合した文様)∞鶴首(かくしゅ:待ちわびること)∞鶴寿(かくじゅ:長命)∞鶴禁(かっきん:東宮御所)∞千羽鶴∞夕鶴(木下順二作、戯曲)£n名に真鶴∞舞鶴≠ネどがある。
 (22) 「亀 」 比とメ(1・2・3・4・5・6の点)で表わす。亀の形からきた文字。音読みのキは漢・呉音。熟語に亀舞(かめまい:腹這いで踊る)£n名に亀岡∞亀戸*シ前に亀井∞亀山≠ネどがある。
                            (菅野良之)

「うか」079
  第34回「学習会2010年1月23日(土)

 学習内容
 基本文字(3) 対あるいはグループをなす比較文字(2)

 *「互」と「皆」 比較文字ではないが、比(4・5の点)を使うのでこの章に含めた。
 (23)「互 」 比(4・5の点)とラ下がり(2・6の点)で表わす。音読みのゴは呉音。熟語にお互い様∞互い違い∞互譲∞互選¢シの読み方で互に(かたみ‐に(互いに。かわるがわる。の意味)≠ネどがある。
 (24)「皆 」 比と白(リ下がり:2・3・6の点)で表わす。音読みのカイは漢音。字式は比/白。熟語に皆伝∞皆目∞皆様∞悉皆(しっかい:みな。のこらず。ことごとく。の意味)¥齒鰍ノ皆生温泉(かいきおんせん:鳥取県西部の温泉地)≠ネどがある。

 * 「凸」と「凹」
 (26)「凸 」 比とレ(1・2・4・5の点)で表わす。音読みのトツは漢音、トチは呉音であるが使われ方は不明。訓読みにでこ=B熟語に凸版∞凸起¢シの読み方に凸凹(でこぼこ。だくぼく。)∞凸む(つばく‐む:突出する。凹凸がある。)∞凸柑(ぽんかん。椪柑とも書く。)≠ネどがある。
 (27)「凹 」 比とレ下がり(2・3・5・6の点)で表わす。音読みのオウは漢音。訓読みにくぼ。ぼこ。≠ェある。熟語に凹溜り(くぼたま‐り:くぼんだ場所)∞凹地(くぼち)∞目凹(めくぼ:目のくぼんでいること)≠ネど

 近似文字
 「氏 」 「低」の近似文字。元は刃物からきている。音読みのシは漢音。熟語に氏神(うじがみ)∞氏子(うじこ)∞彼氏∞氏名∞諸氏∞杜氏(とじ。とうじ:酒づくりの職人)∞某氏¢シの読み方に氏上(このかみ:年長
)≠ネどがある。

 テキスト 第4回
 4 基本文字(3) 比較文字 長さ、重さ、容積(度量衡)の単位。


 * 長さと距離の単位を表わす比較文字。
 (27)「尺 」 比とタ(1・3・5の点)で表わす。指を広げた形に由来する。音読みのシャクは呉音、セキは漢音。一尺は約30.3センチメートル。熟語に縮尺∞折り尺∞尺八∞尺断(しゃくだん:細かく切断する=Aセキとしては書尺(しょせき:てがみ。書状)∞尺地(せきち:わずかな土地)∞尺紙(せきし:小さい紙。短い手紙)¢シの読みとして油尺(あぶらさし:油の量をはかる物さし)≠ネどがある。
 (28)「寸 」 比とシ(1・2・5・6の点)で表わす。音読みのスンは呉音。一寸は一尺の十分の1。熟語に採寸∞原寸∞胸三寸∞寸暇∞寸隙∞寸断∞寸刻∞寸志∞寸胴(ずんどう)¢シの読みに寸寸(ずたずた)£n名に寸又峡(すまたきょう:静岡県北部、寸又川に沿う渓谷)≠ネどがある。
 (29)「丈 」 比と3・4・5・6の点で表わす。音読みのジョウは呉音。一丈は一尺の10倍、約3メートル。熟語に居丈高(いたけだか)∞襟丈(えりたけ)∞心丈夫∞万丈(ばんじょう:非常に高い)∞黄八丈£n名に八丈島≠ネどがある。
 (30)「里 」 比とリ(1・2・5の点)で表わす。音読みのリは漢・呉音。一里は約3,927メートル。熟語に郷里∞五里霧中∞千里眼∞一瀉千里∞十三里(さつまいも)£n名に伊万里∞清里∞九十九里∞久里浜∞七里ガ浜∞箱根八里∞巴里∞万里=A伝奇小説に南総里見八犬伝:曲亭馬琴作。室町時代、安房の武将里見義実の女(むすめ)伏姫(ふせひめが八房(やつふさ)という犬の精に感じて生んだ、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八徳の玉をもつ八犬士が、里見家勃興のために活躍する。≠ネど。


  第35回「学習会」2010年2月20日(土)

 学習内容
 * 重さの単位を表わす比較文字
 (31)「貫 」 比(4・5)とツ(1・3・4・5の点)で表わす。音読みのカンは漢・呉音。1貫は約3.75kg。熟語に貫禄∞終始一貫∞一貫性∞裸一貫∞縦貫∞突貫∞貫主(天台宗の座主、本山・大寺の住持の敬称。管主に同じ)∞射貫く(いぬ‐く)刳り貫く(くりぬく)=A人名に紀貫之(きのつらゆき:平安時代の歌人。古今集の選者)≠ネどがある。
 (32)「匁 」 比とヌ(1・3・4の点)で表わす。読みは国字。1匁は約3.75g。熟語に只匁(ただもんめ:無料のこと)∞花一匁(はないちもんめ:子供の遊び)≠ネどがある。
 (33)「斤 」 比とオ下がり(3・5の点)で表わす。斧の刃を表わしたもの。音読みのキンは漢音、コンは呉音。1斤は160匁、600g。熟語に斤斤(キンキン:近づいて細かく見定める)∞斤斧(キンプ:おの)∞麻三斤(禅語で僧衣1着分)≠ネど。斤はおのづくり≠ニして、近、欣、芹、新、折、斫、斬、斯、析。斧、断などに含まれている。。
 (34)「屯 」 比とフ(1・3・4・6の点)で表わす。音読みのトンは漢音。縁の飾りを表わす文字。メートル法の噸(トン)から、比較文字に加えた。熟語には雲屯(ウントン:雲のように多く集まる。煎茶の水差し)∞細屯(サイトン:綿のこと)¢シに屯倉(みやけ:大和朝廷の直轄領から収穫した穀物類を蓄積する倉)≠ェある。
 * 容積の単位を表わす比較文字
 (35)「升 」 比とク(1・4・6の点)で表わす。音読みのショウは漢・呉音。訓読みにのぼる≠ェある。1升は約1.8リットル。熟語に升平(ショウヘイ:国運が盛んで世の中が治まっている様)∞八升芋(ハッショウイモ:ジャガイモの異称)∞升席(ますせき)∞升目(ますめ)≠ネどがある。
 (36)「斗 」 比とト(2・3・4・5の点)で表わす。音読みのトは慣用音、トウは呉音1斗は18リットル。熟語に筋斗(キント:とんぼがえり)∞五斗(醤油のもろみ。ひしお)∞泰斗(タイト:権威者)∞斗酒(トシュ)$ッ座に北斗七星∞斗柄(トヘイ:北斗七星の柄の部分、大熊座のイプシロン、ゼータ、エータの3星)≠ェあり、先斗町(ぽんとちょう:京都の色町)∞冷汗三斗¢シの読みで抽斗(ひきだし)∞熨斗(のし)∞漏斗(じょうご)≠ネどがある。斗を含む文字に、科、料、斜などがある。
 (37)「勺 」 比とモ(2・3・4・5・6の点)で表わす。音読みのシャクは漢・呉音。1勺は18ミリリットル。熟語に勺飲(少しの飲み物)≠ェある。勺はつつみがまえ≠ニして、約・葯(やく)、酌・杓・妁・灼(しゃく)、的などに含まれている。

 近似文字
 「斥 」 「斤」の近似文字。ア(1の点)とオ下がり(3・5の点)で表わす。音読みのセキは漢音、シャクは呉音。熟語に詰斥(キッセキ:なじりしりぞけること)≠ネどがある。
 「丘 」 「升」の近似文字。ク(1・4・6の点)と4の点とで表わす。音読みのキュウは漢音、クは呉音。熟語に砂丘∞丘首(キュウシュ:もとを忘れないこと)∞丘軻(キュウカ:孔子と孟子のこと)=A他の読みとして頓丘(ひたお:ひとつづきの丘)∞比丘(ビク:修行僧)∞比丘尼(ビクニ:尼僧)≠ネどがある。
                            (菅野良之)

「うか」080
  第36回「学習会2010年3月20日(土)

 学習内容
 比較文字に類似した文字
 * 乗と垂 下の部分が「木」「土」
 (1)「乗 」 ノ(2・3・4の点)とキ(1・2・6の点)で表わす。音読みのジョウは呉音。熟語に騎乗∞自乗∞相乗(効果)∞大乗仏教∞添乗員∞馬乗り∞悪乗り∞飛び乗る∞乗り越し∞乗り心地∞乗鞍∞乗り熟す(こなす)≠ネどがある。
 (2)「垂 」 2・5の点とニ(1・2・3の点)で表わす。音読みのスイは漢・呉音。熟語に垂涎(すいえん・すいせん)∞項垂れる(うなだ‐れる)∞垂れ込み∞胡麻垂れ∞前垂れ∞直垂(ひたたれ:礼服の一種)¢シの読み方で岩垂氷(いわつらら:鍾乳石の異称∞垂り尾(しだりお:長く垂れた尾)∞雪垂(ゆきしずり:雪が木の枝などから落ちること)≠ネどがある。
 * 浮と沈
 (3)「浮 」 4・5・6の点とウ(1・4の点)で表わす。音読みのフは漢音。水に落ちた子どもを助けている形からきている。熟語に浮草(うきぐさ)∞浮世絵∞浮き彫り∞浮遊(ふゆう)∞浮気∞浮き足∞浮浪(ふろう)¢シの読み方に浮腫み(むく‐み)≠ェある。
 (4)「沈 」 4・5・6の点と3・6の点で表わす。水から下に沈んでいるかたちからきている。音読みのチンは漢音、ジンは呉音。熟語に浮沈∞消沈∞沈下∞沈静∞沈痛∞沈丁花(じんちょうげ)∞沈菜(キムチ)≠ネどがある。

 5 複合文字 (2)
 1. 第1基本文字と比較文字で構成される文字 (1)
 * 「中」比(4・5)とウ下がり(2・5の点)をパーツとして含む文字3つ。
 (1)「仲 」 人偏(ナ:1・3の点)と中(ウ下がり2・5の点)で表わす。音読みのチュウは漢音。熟語に仲裁∞恋仲(こいなか)∞仲良し∞仲違い(なかたがい)∞仲立ち∞仲店∞仲見世∞杜仲茶∞仲買人∴齊嘯ナ仲(すあい、売買の仲買をすること)$l名に木曾義仲≠ネどがある。
 (2)「沖 」 さんずい(ニ: 1・2・3の点)と中(ウ下がり:2・5の点)で表わす。音読みのチュウは、漢・呉音。熟語に沖合い∞沖中仕(おきなかし:はしけと本船の間で荷役をする人)∞沖の尉(じょう)、沖の大夫(たゆう):いずれもアホウドリの異称∞沖積(ちゅうせき:流水で土砂などが積み重なること)∞沖る(ひひ‐る: ひらめき飛び上がる)%に沖永良部島(おきのえらぶじま)″]戸時代の国学者に契沖(けいちゅう)≠ネどがある。
 (3)「忠 」 中(ウ下がり: 2・5の点)と心(ル下がり: 2・5・6の点)で表わす。音読みのチュウは漢・呉音。訓読みにまごころ=B名前にただ、ただし、あつし、きよし≠フ読みがある。熟語に忠実(ちゅうじつ、まめ)∞忠告∞忠心∞隠忠(おんちゅう:内通、うらぎり)∞至忠=Aまめには口忠実∞筆忠実=A人名に多く使われ江戸時代の地理学者・測量家
 で我が国最初の実測地図「大日本沿海輿地全図」作成した伊能忠敬(いのうただたか)≠站客の国定忠治(くにさだちゅうじ)≠ネどがいる。
 * 「右」(比:4・5と5・6)をパーツとして含む文字。
 (4)「若 」 草冠(ク: 1・4・5の点)と5・6の点で表わす。右の部分は手でサイを持って踊っている様を示す。音読みのジャクは漢音、ニャク・ニャは呉音。熟語に泰然自若(たいぜんじじゃく)∞傍若無人(ぼうじゃくぶじん)∞若鮎∞若気∞若草∞若人(わこうど)∞若布(わかめ)∞若族(にゃくぞく: 若衆)∞若返り=A地名に会津若松∞若狭湾¢シの読み方に杜若(かきつばた)≠ェある。


  第37回「学習会2010年4月17日(土)

 学習内容
 * 「左」比(4・5の点)とイ下がり(2・3の点)をパーツとして含む文字1つ。
 (5)「佐 」 第2人偏(4・6の点)とイ下がり(2・3の点)で表わす。字式は人偏+左。音読みのサは、漢・呉音。熟語に軍隊の大佐、中佐、少佐≠竡ゥ衛隊の1佐、2佐≠フ位に用いられるほかは、人名、地名に多く見られる。佐久間∞佐野∞佐分利=A佐久∞佐倉∞佐世保∞土佐∞佐賀∞宇佐∞伊勢佐木町≠ネど。
 * 「大」比(4・5の点)とケ(1・2・4・6の点)をパーツとして含む文字6つ。
 (6)「器 」 大(ケ:1・2・4・6の点)と口(レ: 1・2・4・5の点)で表わす。字式は(口+口)/大/(口+口)。音読みのキは漢・呉音。熟語に楽器∞陶器∞嘘発見器∞火気∞花器∞土器(どき、かわらけ)∞受話器∞送話器∞大器∞什器∞武器=A歴代の天皇が受け継いできた三種の神器(さんしゅ‐の‐じんぎ: 鏡、剣、曲玉:まがたま)≠ネど多数ある。
 (7)「春 」 大(ケ:1・2・4・6の点)と日(リ下がり: 2・3・6の点)で表わす。字式は三\(バックスラッシュ)人/日。三と人が重なった場合漢点字では「大」で表わす。音読みのキは漢・呉音。熟語に思春期∞迎春∞頌春∞春雨∞陽春∞早春∞立春∞春告げ鳥(ウグイス)∞春告げ魚(にしん)∞春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべ、ほとけのざ、すずな、すずしろ)∞小春日和∞春菊∞春巻=A地名に春日部∞三春≠ネどがある。
 ・「因」とそれをパーツとして含む文字1つ。
 (8)「因 」 国構え(レ下がり:2・3・4・6の点)と大(ケ: 1・2・4・6の点)で表わす。字式は国>大。音読みのインは漢・呉音。訓読みによすが=B熟語に一因∞因子∞因習∞因数∞外因∞勝因∞敗因∞起因∴ヘ碁の位に本因坊=A地名に因幡(いなば)∞因島(いんのしま)≠ネどがある。
 (9)「恩 」 因(ケ: 1・2・4・6の点)と心(ル下がり: 2・5・6の点)で表わす。字式は因/心。音読みのオンは漢・呉音。熟語に恩返し∞恩赦∞恩讐∞恩愛∞二恩(父母の恩、師と親の恩)∞周恩来(中国の元首相)
 (10)「央 」 大(ケ:1・ 2・4・6の点)とオ(2・4の点)で表わす。音読みのオウは呉音。熟語に月央(1ヶ月のなかば)∞年央(1年の中頃)∞震央(地震の震源の真上の地点)∞中央線∞中央区≠ネどがある。

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