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日盲社協の表彰を受けて

                                         木下 和久

 このたび漢点字協会からの推薦により、去る6月3、4日福井市で開催された日盲社協の第58回全国盲人福祉施設大会で、ボランティアとしての表彰を受けることになりました。会場はユアーズホテル フクイです。全国の盲人福祉施設関係者が一堂に会して、「視覚障害者の高齢者対策における制度、情報、暮らしについて協議する」ことを目的として開催されたもので、光道園第二光が丘ハウスが主管施設としてこの大会の運営に当たりました。

壇上のご来賓(1)
壇上のご来賓(2)
懇親会のステージでは太鼓の演奏

 全国の盲人福祉施設関係者が一堂に会するということで、文字どおり北は北海道から南は沖縄県までと、全国から163名もの関係者が参加されました。
 初日午後の前半は開会式に次いで研修会ということで、「盲老人の暮らしを豊かにするために」をテーマとしたシンポジウムが行われました。司会は日本点字図書館・館長の岩波義則氏で、シンポジストとして、橋本宗明氏、小笠原拓二氏、山野弥生氏、横山博一氏が壇上に並びました。視覚障害の有無にかかわらず、老後の生活を豊かなものにするためには趣味・健康・娯楽など自己完結的なものだけでなく、いつまでも自己の分に応じて他者に必要とされるような活動をすることで充実感を味わうことができ、豊かな老後につながるというような考え方を中心に話し合いが進められました。
 午後の後半は交流会ということで、1テーブル8人ぐらいずつのグループに分かれて食事をしながらの交流となりました。席は自由でしたが、私は同じ漢点字協会から推薦されて受賞された加藤京子さんとご一緒し、そのお隣には「とちぎ視聴覚障害者情報センター」の佐藤佳美さんと、「視覚障害者総合支援センターちば」の高橋恵子さんが座り、親しくお話をさせていただきました。佐藤さんも高橋さんもご自身視覚障害者ですが、それぞれ遠方からガイドヘルパーなしで参加されていたとお聞きしました。後で、帰りの福井駅でこれらガイドヘルパーなしの障害者の方たちに、JR職員がそれぞれ適切に対応しておられたのを見て、なるほどと納得した次第です。佐藤さんは、お若い方ですが、漢点字を少し勉強したとのこと、漢点字愛好者が1人でも増えて行くといいのですが、なかなか継続して勉強して行くのは大変のようです。地元の素材を生かした料理と上等の地酒をおいしくいただきました。
 2日目は講演と受賞ボランティア懇談会が並行で開催され、われわれは懇談会のほうに参加しました。出席された受賞ボランティアは17名でした。出席者の皆さんそれぞれに自己紹介を兼ねて、抱えている問題点などを話しましたが、どこも同じようにボランティアの定着性が悪いこと、高齢化の問題などを抱えていることが分かりました。ただ、出席者の方は点字図書館や情報センターなど、公的機関の方が多く、ボランティア募集の広報そのものにはあまり苦労がないようで、若干うらやましく感じました。参加者の中に82歳でまだ現役の点訳者として活動している方がおられたのは驚きです。この場で漢点字の話をしたとき、初めてそんなものが存在することを知って驚いたという方が何人もおられたのはちょっと残念でもありました。
 その後は表彰式典で、出席した受賞者は名前を呼ばれてその場で起立し、感謝状と記念品が代表の方に手渡されました。なお、受賞者の数は、ボランティアが97名、盲人福祉施設の永年勤続職員が31名でした。
 せっかく初めて福井の駅に降り立ったので、観光でもするといいのですが、翌日は欠席できない会合があり、ゆっくりできないのが残念でした。ここから遠くない有名な観光地として、東尋坊がありますが、そこには3年ばかり前に行ったことがあります。昔の福井の町は知りませんが、JRの駅は立派で駅の周辺に沢山のホテルが建っています。町には路面電車も健在で、活気のある地方都市とお見受けしました。

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