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          病気についての工夫

                         佐々木 哲夫

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 佐々木さんは、2005年に、東京漢点字羽化の会の発足時にご参加下さった、同会の最も古い会員のお一人です。現在はご都合で活動から離れておられますが、本誌は毎号お読み下さっておられます。今回は、初めてご寄稿下さいました。
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 佐々木 哲夫(ささき あきお)と申します。自分の障がいは「てんかん」の一種でありまして、通常の方は、このてんかんのことはこの4文字で済ましてしまうことが、本当に自分は残念に思って居ります。
 もし、「ガン」でしたらば「何のガン?」などともっと詳しく聞かれたり、「ステージは?」などと・・・・なのにも関わらず、『てんかん』ですとそのままで、その奥は知ろうとしない方々が多いのです。
 その為に、いくら軽い症状でも「泡を吹いて倒れる」と思われる事が多いと感じております。患者本人でも、その種類を知らずのままで、いらっしゃる方々も少なくないと思います。
 私は、てんかんでも、『頭の横の部分=側頭葉』の一部で、『気を失う発作=複雑発作』すなわち、『複雑部分発作』と申します。(意識がある発作=単純発作です。)
 この様に「発作の種類は様々で、その発作の様子によって、効く薬は様々なうえに、その方々の身体に合う薬や副作用で合わない薬が色々あります。」

 薬も自分に合う薬を色々と合わせていただきました。検査を何度かしまして効き目を調べまして、(治療範囲の血中濃度)効いている値になっているのに、自分には効いていない様な時にはその薬には、自分は合っていない。と思い当時の担当医に要求をしまして、処方を換えていただきました。それでも、また、ダメならまた同様に自分に合う薬を探してみる様な事を何年もくりかえしました。なかなか処方を変更して戴けなかった時には、転院を要求しまして、他の施設で他の先生に診て戴きました。しかし、なかなか転院をさせて戴けない様な時や処方を換えて戴けない時には、その時どきの担当医に『自分の一生は1度だけですので』と言いながら何度も換えて戴き、どうにか今の先生と出会ったものです。

 やはり、私との同病者をはじめ みなさんも自分の病気の事は知っておきましょうヨ!!

 私も、自分の病気を詳しく知る為に、日本てんかん協会にも入会しながら、色々な講座にも出席しまして、出来るだけ勉強しました。
 そして、学会にも患者としまして数回出席した経験もあります。
 現在は、その他にITもありますので、検索する事も出来ると思います。その他にも、facebook などにも登録しまして、病気などグループに参加してみれば、色々な事も解る様になると思います。

 〈就労時には告知して居りました。〉

 現在の就労は、探している時に協会にボランティアしながら、「東京都精神保健福祉連絡会」での会議に協会東京都支部より出ておりました時に、或る方より、就労の件で幸いに声をかけられ、現在に至っております。

 就労時に告知しました時には、病名の方を「てんかん」の4文字ではなく、
「診断書」や「履歴書」にも「てんかん」の種類の中での「複雑部分発作」と、記載したのです。さらに、その上で面接時には、病名よりも身体の症状を先に説明しまして、たずねられてから、記載した病名を申告するようにしました。
 その為にか、ほとんどの応募先に就労することができました。
 ハローワークの担当者にも、自分の方が持病に対する事は判っておりましたので自分から説明し、「てんかん」の件で他の症状の事で相談を持ち込まれたら出来るだけ、説明をしました。その代わりに自分は、就労先の紹介をして戴いたような状況でしたが、就労先の紹介も無い時に、病気の事で「ハローワーク」の担当者から電話があったくらいでした。
 きちんと告知して就労した為におかげ様で、体調が悪化しました時には、常に持ち歩いている「頓服薬」を服用して、少ない時間でも、休養を取らしてもらって居ります。
 「頓服」も先ほど申しましたが、自分で薬の事を理解しているので、ある「A錠」ですが、その薬は錠剤で、「5r錠」「2r錠」がありまして、 15mg/日なのです。その為に、担当医と話し合いながら、その時の症状に応じて服用出来るように、細かく「2r錠」を処方してもらって居ります。そして、その時の症状で2錠〜3錠を服用しております。先日は、あまり調子が悪化しましたもので、注射1本分近くの4錠8mgを服用して、どうにか落ち着かせました。

 眠る時にも、眠剤は処方してもらって居りませんので、眠られない時や疲れが溜まった日の夜に、少しの「アルコール」を飲酒しております。 担当医がその様に言ってくれているからです。眠剤を毎日服用して、副作用で肝臓をいじめるのであれば、欲しい時にアルコールを飲んで、その時だけという方が良い、と担当医に言われているくらいです。
 そして、社会人ならば、『酒』は冠婚葬祭で必要であろう。と生活面から、考えて下さいます。ひどい先生でしたら、副作用に引っかかる原因の物は一切、飲食させない。という様な先生です。
 しかし、副作用はその人それぞれよって違いますので、私の担当医は、症状がでたら止めれば良い。との考えで、飲酒や副作用にあやしい食物なども許してくださいます。

 〈現在の職場で感じていることなど〉

 現在は、千葉県流山の農場で、「知的障がい者」や「聴覚障がい者」の後輩と一緒に働き、今では指導しながら、畑で一緒に農作業の仕事をしております。

 現在の職場に移る前は、PCなどで、事務作業を長い間しておりましたが、周りの状況と合わない為に現在の農場に移って来ました。
 しかし、その間にoffice specialistで、就労前には、ExcelとWordを持っておりましたが、新バージョンで、ExcelとPowerPointを更に取得しておきました。
 現在も、「知的障がい」の方々にたまにPCの使い方も教えてあげております。

 現在の農場に移ってもう、1年半を過ぎましたが、この農場では、無農薬・無化学肥料で、野菜を育てております。
 その様に農薬を一切使わない為に害虫を除けるにも、例えば、一つの野菜を育てて居ながら、その間に匂いの強い野菜(パセリ・バジル)を植えて、その匂いで、虫などをよけております。
 その他にも、虫が卵を産んだ所に、水で薄めた牛乳をスプレーで噴霧して、膜をはり、虫の卵が呼吸出来ない様にしたりして、虫を除けたりもしております。
 そして収穫しましたら、畑の脇の直売所で販売したり、近くの施設に配送して販売して戴いたり、四季のそれぞれに、弊社の社報で発送商品を受注しまして発送したりしております。

 先日も、或るTV局が取材をし、放映されたもので、以前より忙しくなっている今日この頃です。その上、今年は、震災や台風などで地方の農産物が影響を受けましたので、価格も上昇のためか尚更の事かと感じております。

 現在も、近くの『特別支援学校』の生徒さんが、卒業前に「実習」にみえて、約2週間ずつ仲間のみんなと一緒に仕事をしており、卒業後などに『就労』される方々もおります。
 特に、近くの千葉県の『特別支援学校』では、「農業科・園芸科」がある様で、そちらの方々が、『就労』につながっております。

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