漢点字講習用テキスト |
初級編 第6回 |
3 複合文字 (1)
(前回の続きです。)
※ 「」(ウ冠)を部首として含む文字
(13) 字 ジ あざ あざな
「ウ 」の下に「子」の形の文字です。「ジ」と読んで「文字」を、「あざ、あざな」と読んで、土地の名、人の名を表します。「ウ冠」は屋根、「子」は子どもを表して、子どもを大切に育てるという意味を表します。漢点字では、「」でウ冠を、「」で子を表します。
「文字」「漢字」「ローマ字」「数字」「字句」「字引」
(14) 宗 シュウ ソウ むね みたまや
「ウ 」の下に「示」の形の文字です。屋根の下に祀られた祭壇を表しています。先祖を祀った〈御霊屋〉、氏族がそこに集う場所、また氏族をとりまとめる理念などを表します。漢点字では、「 (ウ冠)」と「 (示)」で表します。
「宗教」「宗派」「禅宗」「日蓮宗」「浄土宗」
(15) 宝 ホウ たから
「ウ 」の下に「玉」を置いた形の文字です。屋根の下、建物の中に、大事なものを保管している形を表しています。「玉」は、丸く透き通った、美しい光を放つ貴石を意味します。漢点字では、「 (ウ冠)」に「 (玉)」で表します。
「宝石」「宝玉」「宝物」「財宝」「人間国宝」「宝島」「宝籤」
・「安」とそれを含む文字
(16) 安 アン やす‐い
やす‐らか やす‐んずる
「ウ 」の下に「女女」の形の文字です。屋根の下に女性を置いて安心させる、心を落ち着かせる。安らかで落ち着いた、安心して生活が営める様子を表しています。漢点字では、「 (ウ冠)」と「 (女)」で表します。
「安心」「安全」「安価」「安易」「安堵」「保安」「平安」「国家安泰」
(17) 案 アン つくえ かんが‐える
あん‐ずる
「安安」の下に「木木」を置いた形の文字です。元は肘を乗せる「つくえ」を意味していましたが、現在では、意見や計画をまとめたものの意で用いられます。また、「思う」とか「心配する」とかの意でも用いられます。漢点字ではウ冠を省略して、「」で「安安」、「」で「木木」を表します。
「案件」「案出」「案内」「案外」「提案」「議案」「答案」「名案」
・「穴」とそれを冠とする文字
(18) 穴 ケツ あな ほらあな
「ウ 」の下に「八`八」の形の文字です。屋根の下に穴を掘って住む、穴居住宅を象ったものと言われます。また、漢方・鍼灸で言う「経穴」の意味も含みます。漢点字では、「 (ウ冠)」に「 (八)」で表します。
* この文字は、「穴冠」として、一つの部首をなして、新たな文字の要素となります。
「穴居」「洞穴」「経穴」
(19) 究 キュウ ク きわ‐める
きわ‐まる
「穴 」の下に「九`九」を置いた形の文字です。「九`九」は、腕を曲げて、奥深く差し込んだ形を象った文字で、ここでは、穴の底のどん詰まりまで手を差し入れた形を表しています。漢点字では、「 (穴冠)」に「 (九)」で表します。
「研究」「追究」「究極」「究明」
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