漢点字講習用テキスト |
初級編 第9回 |
3 複合文字 (1)
3.漢数字および第一基本文字を部首とした文字 (4)
(「門構え」の続き)
(39) 問 モン と‐う とい
「門構え」の下に「口」を入れた形の文字です。ものを問う、尋ねる、またその問い、さらに人を訪れるという意味を表します。漢点字では、「 (門構え)」と「 (口)」で表します。
「問題」「問答」「問責」「質問」「設問」「訪問」「尋問」「問屋」「問わず語り」
(40) 開 カイ ひら‐く あ‐く
あけ‐る
「門構え」の下に、二本の縦線と横線が、鳥居の形に組み合わされて置かれた文字です。門のかんぬきを外した形と言われます。閉ざされていた戸が開かれる、新しい耕地が開かれる、新しい技術や市場が開かれる、何かを目指して始めるという意味を表します。漢点字では、「 (門構え)」と、「」で表します。「」は、「廿 」のことで、十が二つ、開いた形を表しています。
「開門」「開会」「開発」「開始」「全開」「お開き」
(41) 閉 ヘイ と‐じる と‐ざす
し‐める し‐まる
「門構え」の下に、「才 」を置いた文字です。「才」は、入り口をぴたりと閉じた形を表しています。戸口を閉ざしたり、催しや会合を閉じることを意味しています。漢点字では、「 (門構え)」と、「 (才)」で表します。(40)の「開」と対にして、「」は開き、「」は閉じとご理解下さい。
「閉門」「閉会」「閉鎖」「密閉」「閉め出し」
※ 「囗構え」の文字四つ。
(42) 回 カイ エ まわ‐る まわ‐す
めぐ‐る めぐ‐らす
「囗 え」の中に「口」が部首として入った形の文字です。水の渦を象った文字と言われます。ぐるりと回る、一回回って元へ戻るという意味を表します。またそこから、何回、何度という、動きや動作の回数の単位にも用いられます。回教≠ニは、イスラム教のことです。漢点字では、「 (囗構え)」と「 (口)」で表されます。
「回数」「回転」「回覧」「回復」「巡回」「九回のウラ」「回り道」「回り灯篭」「水回り」
(43) 国 コク くに
「囗 え」の中に「玉」を部首として入れた形の文字です。周囲を区切った領域を表します。昔は一つの地方、統治された領域を表していました。現在では、主権を持った国家を意味します。口語的には出身地や居住地を言うこともあります。漢点字では、「 (囗構え)」と「 (玉)」で表されます。
「国家」「国歌」「国会」「日本国」「米国」「英国」「中国」「お国訛り」「国破れて山河在り」
・「固」とそれを含む文字。
(44) 固 コ ク かた‐い
かた‐まる かた‐める
「囗 え」の中に「古 」が部首として入った形の文字です。「古 」は、古く固い頭蓋骨を象った文字で、それを四角い枠の中に押し込めた形です。かたい∞動かない∞融通が利かない≠ニいった意味があります。漢点字では、「 (囗構え)」に「 (古)」で表されます。
「固体」「固辞」「固有名詞」「頑固一徹」「地固め」「足固め」
(45) 個 コ ク
「人偏」に「固 」の形の文字です。一つ一つ分かれているもの、形が定まって数えられるもの、また、一人一人の人という意味があります。漢点字では、「 (人偏)」に「 (固)」で表されます。
「個人」「個性」「一個、二個、三個」
※ 「元 」の儿(ひとあし)の付いた文字。
(46) 兄 ケイ キョウ エ あに
「口」の下に「元 の儿(ひとあし)」を置いた形の文字です。頭の大きな人を意味しています。同じ親から生まれた年上の男子を言います。また、相手の敬称としても用いられます。漢点字では、「 (口)」と「 (儿)」で表されます。
「兄弟」「大兄」「貴兄」「兄貴」
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