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漢点字講習用テキスト
初級編 第13回


    3  複合文字 (1)

 4.漢数字および第一基本文字を部首とした文字 (6)

 (71)  畑   はた はたけ
 「火偏」の右側に「田」を置いた形の文字です。「田」は、耕地全般を表す文字で、ここでは水を張らない耕地、すなわちはたけ≠表しています。はたけ≠ヘ、土地に生えている草を火で焼いて、害虫駆除と灰を肥料にする焼き畑から始まりましたが、この文字はそこから生まれた国字です。また現在では、波及して、学問や技術の専門分野をはたけ≠ニ呼んでいます。漢点字では、「 (火)」と「 (田)」で表されます。
 「畑作」「畑地」「田畑」「技術畑」「営業畑」

 (72)  炎   エン  ほのお ほむら
 「火」を縦に二つ並べた形の文字です。火が盛んに燃えている様子を表しています。また熱を発散することから、熱性の病気も意味します。漢点字では、「火」を二つ並べて表されます。
 「炎熱」「炎症」「炎暑」「炎天」「アレルギー性鼻炎」

 ・「炎 」を含む文字。この部首の音は、だん、たん=B
 (73)  談   ダン タン  かた‐る
 「言偏」の右側に「炎 」を置いた形の文字です。炎が燃え上がるように、盛んに話をする様子を表した文字です。また、人の前に立ってする話、人から聞き取った話、相対してする話等、話全般に用いられる文字です。漢点字では、「 (偏)」と「 (炎)」で表されます。
 「談話」「談合」「談笑」「相談」「面談」「講談」「商談」

 ※ 部首の「列火」を含む文字。「列火」は、文字の下の部分に四つの点が並んだものです。この部首は、火の燃える様を象ったもので、漢点字では「」で表されます。
 (74)  点   テン  とも‐す とも‐る
        つけ‐る た‐てる
 「卜」の下に「口」の形の文字「占」、その下に四つ点の列火「」を置いた形の文字です。小さなテンを意味します。点数の形で、評価の表現として用いられます。また、一つだけぽつんと離れている様子、ものや人が散らばっている様子を表します。さらに、灯りをともす=A火をつける=Aお茶をたてる≠ニも用います。漢点字では、「 (占)」と「 (列火)」で表されます。「卜」は省略されます。
 * 「占 」、セン、しめる、うらなう≠ヘ、中級編でご紹介します。
 「点字」「点灯」「点火」「点数」「得点」「欠点」「灯を点す」「火を点ける」「野点てをする」「お茶のお点前」

 (75)  然   ゼン ネン  しか‐り
        しか‐るに しか‐し
 この文字は、上の部分の右側に「犬」、左側に「肉」を置いて、その下に列火「」を置いた形です。犬は神聖な動物とされて、その肉を火であぶって吉凶を占いました。しかり≠ニ肯定したり、しかし≠ニ否定するのに用いられます。また、総体的な状態や姿・態度を表す語としても用いられます。漢点字では、「 (犬)」と「 (列火)」で表されます。「肉」は省略されます。
 「当然」「偶然」「断然」「陶然」「天然自然」「全然 … ない」

 ・「然 」を含む文字。
 (76)  燃   ネン  も‐える も‐やす
 「火偏」の右側に「然 」を置いた形の文字です。「然 」には、火で焼くという意味があって、そこにさらに「火偏」を添えて、炎を上げ、高熱を放散しながら燃え上がる様子を表す文字です。漢点字では、「 (火偏)」と「 (然)」で表されます。
 「燃焼」「燃料」「可燃物」「内燃機関」「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」

 ※ 「口」を部首として含む文字。
 (77) 品   ヒン ホン  しな
 「口」を、上に一つ、下に二つ、三角形に三つ並べた形の文字です。しな≠ニ読んで、色々なもの≠示します。また、ヒン≠ニ読んで、人や物の等級や価値を表す意味があります。この文字を構成する「口」は、古く中国で、祭祀で神様に捧げるお祈りを容れた器を表していると言われます。漢点字では、木が三つの「森 」と同様に、「(口)」と「(三つ)」で表されます。
 「品目」「品質」「品種」「品格」「物品」「納品」「上品」「人品骨柄」「品物」「品揃え」

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