「うか」079  シリーズ初回へ  トップページへ

漢点字講習用テキスト
初級編 第19回


    3  複合文字 (1)

 7.漢数字および第一基本文字を部首とした文字 (7)
 この回が、初級編の「漢数字および第一基本文字を部首とした文字」の最後です。

 ※「更 」とそれを部首として含む文字一つ。
 (121)  更   コウ キョウ  さら‐に ふ‐ける ふ‐かす あらた‐める か‐える か‐わる
 横線の下に「日」、横線の中央から「日」の中央を通って縦線があり、下で右斜め線と「人」の字型に交差させた形の文字です。「人」の字型の右斜め線は、左上に少し交差して出ます。「人」の字型は、脚を開いて突っ張る形で、弛んだものを引き締めることを表します。さらに≠ニ読んで、一段と、その上にの意味に、あるいはさらに…なし≠ニ打ち消しを伴う使い方をします。あらためる、かえる≠ニ読んで、ものごとの在り方をかえる、順序をかえる、引き締めるの意味、ふける≠ニ読んで、経験を積む、夜がふけるという意味に用いられます。漢点字では、「(日)」と「(人)」で表されます。人の字型の形を、「人」と捕らえました。
 「更改」「更新」「更迭」「更衣室」「更正」「更生」「衣更え」「更け行く秋の夜」

 (122)  便   ベン ビン  たよ‐り
 「人偏」の右側に「更 」を置いた形の文字です。ものごとを行うのに都合のよい様子、ものごとがするすると運ぶ様子を表す文字です。便利、便宜≠ニ用いて、容易い、都合がよいの意味に、郵便、航空便≠ニ用いてたより≠フ意味に、また、船や航空機の運航をも表します。さらに、肉体の新陳代謝、排泄の意味にも用いられます。漢点字では、「(人偏)」と「(更)」で表されます。人偏は、第二人偏を採用しました。
 「便利」「便宜」「郵便」「航空便」「便箋」「船便」「風の便り」

 ※「能 」とそれを部首として含む文字一つ。
 (123)  能   ノウ  あた‐う よ‐い
 左側はカタカナの「ム」の下に「月」、右側には、縦にカタカナの「ヒ」が二つ置かれた形の文字です。「月」は「肉」で、カタカナの「ム」の形と一緒に、粘り強い力を意味しています。あたう、よい≠ニ読んで、能力がある、成し遂げる力がある、その力を持った人を表します。また、古典芸能の能楽≠フことでもあります。漢点字では、「(月)」とノウ≠フ音の「(ノ)」で表されます。右側の部首は、人を象ったものですが、点字の部首符号は、他に用いられないことから、作られませんでした。
 「能力」「能筆」「能弁」「能楽」「能率」「可能性」「機能的」

 (124)  態   タイ  すがた わざ‐と
 「能 」の下に「心」を置いた形の文字です。「能 」は、成し得るだけの力のあることを表す文字です。それに「心」を加えて、そのようにできる≠ニいう、心構えやすがた≠ニいう意味を表します。さらにわざと、ことさらに≠ニ、上辺をつくろうという意味にも用いられます。漢点字では、「(能)」と「(心)」で表されます。
 「態度」「態勢」「状態」「動態」

シリーズ初回へ  トップページへ