Uka131    トップページへ

漢点字のご紹介
                    
岡田 健嗣

      町田市赤十字点訳奉仕会様のお招きによる

 去る2024年10月15日に、町田赤十字点訳奉仕会様からお招きをいただいて、町田市立中央図書館を会場に、漢点字のお話をさせていただきました。
 以下は、その折りに向けて書きましたレジュメです。





 以上が、お話に向けてのレジュメですが、お話を終えて、以下のような感想を持ちました。

 Q: 視覚障害者が日本語の文章(漢字仮名交じり文)を従前に理解するには、どうすればよいでしょうか。
 A: 〈漢字〉が放出する情報をキャッチできるようになって、日本語の文章を読みこなす訓練をすればよろしい。
 Q: 〈漢字〉の放出する情報をキャッチするには、どうすればよいでしょうか。
 A: テレビが放送局から流される電波をキャッチして番組を映し出すように、自らの脳の中に、〈漢字〉から放出される情報の受信装置を設ければよろしい。
 Q: 〈漢字〉の情報の受信装置は、お金を出せば買えるのでしょうか。
 A: お金では買えません。〈漢字〉の知識を得れば、自動的に受信装置が、脳の中に構築されます。そして、沢山の情報をキャッチすることによって、それは充実して行きますし、アンテナも大きく広がります。
 Q: 〈漢字〉の知識と言っても、視覚障害者に、得られるのでしょうか。
 A: 50年ほど前に、〈漢点字〉が発表されました。触読文字の〈漢字〉の体系です。これを学べば、〈漢字〉の受信装置が手に入ります。その後は、読書あるのみです。

 以上が私の感想ですが、これはあくまで「視覚障害者」が〈漢字〉の世界に入るには…ということを考えた場合のことです。
 しかしながら、〈漢点字〉の使用者と自称する視覚障害者は全国に散らばっております。にも関わらず、〈漢点字〉の普及は遅々として進んでいないと言われています。それはどうしてか、疑問はその点に絞られます。
 結論から言わせていただけば、その全国区に散らばっていると言われる〈漢点字〉の使用者からの、発信が乏しいことによると言われても仕方がないように思われます。〈漢点字〉使用者からの発信が乏しいところから、公共の施設への〈漢点字〉のニーズが届かず、公認の遅れが生じていて、川上先生がお亡くなりになってから30年を経た現在も、当時の情況と変わっていないということではないでしょうか。
 ニーズの高まりを期待したいと思います。
前号へ トップページへ 次号へ