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点字から識字までの距離(114) 通所支援事業所へのサービス(4) 山 内 薫 |
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キッズサポートりまへの3回目の訪問 2017年8月9日の夏休みにキッズサポートりまへの3回目の訪問を行った。参加者は7名で、前回参加してくれた全身性障害の高校生の他、やはり墨東養護学校に通っている男子中学生、小学校高学年の子どもが3人、低学年の子どもが2人だった。(写真1)
今回は午後2時からの1時間の予定で、前半がお話し会、後半は紙芝居やiPadを個々に見て貰うというプログラムにした。 お話し会はじめの出し物は紙芝居の『おおきくおおきくおおきくなあれ』(まついのりこ/脚本・画 童心社)。この紙芝居は幼児向けの観客参加型の紙芝居で、表紙には小さい豚の絵が描かれており、子どもたちと一緒に「おおきくおおきくおおきくなあれ」と唱えて紙芝居をめくると次の場面に大きな豚が現れるという仕掛けで、次に出てくるのは小さな卵。またみんなで「おおきくおおきくおおきくなあれ」というと次の場面で卵が大きくなるが、卵にはひびが入っていて中から「ガオーン」という声が聞こえてくる。すると次の場面では卵が割れて中
次はやはり写真による紙芝居『 フォトかみしばいかがくのアルバム アブラゼミ』(七尾純/構成・文 あかね書房)を行った。丁度夏でもあり季節にちなんだ紙芝居ということで見てもらった。(写真4) 次は行事用大型絵本の『せんたくかあちゃん』(さとうわきこ/さく・え 福音館書店)(写真5、6)。洗濯が大好きなかあちゃんは、お天気の良い日には、家中の物、猫も、犬も子どもまで、みんなたらいに放り込み、ジャブジャブ洗う。その洗濯物を庭と向かいの森の木という木に縄を張り全部干す。それを見た雷が干されている子ども達や動物のおへそを食べようと、空から落ちてくる。その薄汚れた雷を見たかあちゃんは、雷をたらいに放り込み、ゴシゴシ洗ってしまう。そのために顔が消えてしまい、雷の顔をペンで書いたところ、皆、美男子になって空に帰って行った。その翌日、空が俄にかき曇り、おびただしい数の雷が顔を書いて欲しいと落ちてくる。かあちゃんは「まかしときい!」と胸を張る。というあらすじでこの本も子どもに読む本の定番となっている。 続いて行事用大型絵本の『どうぶついろいろかくれんぼ』(いしかわ こうじ作 ポプラ社)。絵本のページに動物の輪郭の穴が空いており、ページをめくると輪郭の中に動物の顔や体が現れるという仕掛け絵本。子どもたちに動物の名前を当ててもらうことができる。
同じ時間、中学生の男子と高学年の女の子はiPadに収納されている伊藤忠財団が制作したわいわい文庫の中のマルチメディアDAISY図書を一緒に見ていた。2人ともペローの『長ぐつをはいたネコ(ペロー昔話)』(愛蔵版おはなしのろうそく3 東京子ども図書館 編訳 / 大社玲子 絵 東京子ども図書館)を熱心に見ていた。男子中学生は墨東養護学校で日頃からマルチメディアDAISY図書に触れており、最初に訪問した際に、やはり同じわいわい文庫の『ラプンツェル』を読んでいた子である。2人とも絵はほとんどない、およそ20分の作品を最後まで集中して読んでいた(写真8)。
別の場所では、車椅子に乗った子どもにりまの職員が『キャベツくん』(長 新太/文・絵 文研出版)を読んであげていた。 およそ1時間余の訪問中ALSの高校生は何度かいすの上に腹ばいになったり、布団に仰臥したり体位を変えていた。 『おおきくおおきくおおきくなあれ』などの観客参加型の作品や『どうぶついろいろかくれんぼ』のようなクイズ形式の作品を所々で挟むと、ずっと座って話を聞いているだけではなく、リラックスできるようなので、子どもたちとの応答ができる出し物をもう少し考える必要があると感じた。 |
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